ゲレンデの恋

「君に頼みがあるんだ。嫌なら無理にとは言わない。」

「何かしら?」

「脚の傷を見せてほしいんだ。嫌ならいいよ。」

「構いませんけど、じゃ、どうぞ上がって。」

私の家は父がカメラ以外に残してくれたこのマンションだ。

3LDKでも狭い方だった。

私なりに片付けて、北側の一室を納戸仕様にしたお陰で、

LDはスッキリしていた。

和室に機材とPCを置いて作業場にした。

裏のもう一室をベッドルームに当てた。

私はソファに掛けた。

「もうだいぶいいの。ほら、何も貼ってなくても大丈夫よ。」

私はスカートを膝上までめくって、左膝下の外側を見せた。

杉山さんはチラリと見た。

「ちょっと触ってもいい?」

「えっ?ええ、いいけど。」

彼は私の傷跡を指で軽くなぞった。

「ありがとう、もういいよ。

明日、近くまで来たら電話するよ。」

「気をつけて、おやすみなさい。」

「おやすみ。」