すんなり別れを受け入れられるよりは、ちょっとでも引き止められるのは嬉しい。 こんな時でも、小さな歓びを覚えてしまう。 「だけど、もう陽平さんの家には来ないよ」 「解った」 そう言って、あたまをぽん、と優しく撫でてくれる。