「じゃあ、結婚しようか」

陽平さんは私からそっと手を離して、砂浜に大きく寝そべった。


私は立ったまま、海に対面していた。


母なる海とは云ったもんで、私たち人間も動物も、最初は海の生物だったんだもんね。


南田先生は、今、胎内に海を宿している。


あたらしい、命がそこにはある――。