「ねえ、今年のクリスマスは一緒に過ごしたい」 「ウザい」 勇気を振り絞って懇願してみても、あっさりと一言で片付けられる。 「ちょっ…。彼女に、そういう言い草はないと思う」 「俺に説教すんな」 背を向け靴を履きだした彼に、悲しみよりも諦めに似た感情が蠢く。 でも今年は、ここで引き下がる訳にはいかないのだ。