―双葉―

一夜なんで?

私を好きって言ってくれたのに

何でこんなことをするの?

プルプル~

電話が鳴った

「もしもし」

<双葉ちゃん。>

「秋君」

<泣いてるの?>

<大丈夫?>

秋君の優しい声に

私の涙が余計流れる

「助けて」

<え?どうしたの?今どこ?>

「家…」

<分かった今から行く>

「うん」

10分ぐらいして秋君が来た

「母さん出かけてくるね」

「どこ行くのー」

一夜がいる

「彼氏の家!」

一夜の顔が真っ青になる

「秋君!お待たせ」

「ううん。だいじょーぶ」

「優しいね」

「いいえー///

で、どうしたの?いきなり

泣きながら助けてって言うからびっくりした」

「ごめんね」

私が暗いオーラを出していると

「俺に言えないかな?」

「え?」

「いま双葉ちゃん

一人で抱え込んでるでしょ

俺さ、全部受け止めるから話して」

涙が出た

「私はサイテーな人なの」

「どうして?」

「私は秋君を利用したの」

「…」

私は一夜の事を全て話した

秋君と笑う時は

いつも偽りの笑顔だということも

そして

一夜が好きだということも

「そっか」

「ごめんね」

「ううん」

「…」

「ありがとう」

「え?」

「こんな俺に、

だいじなこと教えてくれて」

「秋君」

「双葉ちゃん俺たち、

別れてお友達になろう」

「俺お友達として、

双葉ちゃんの恋サポートしたい」


何で君はこんなに優しいの?

「どうして私にこんなに優しくするの?」

「そんなの好きだからに決まってるじゃん」

「秋君…」

「でも今からは…

大事な友達としてよろしくね」

「うん」

ありがとう

君のお陰で

私は一歩前に進めたよ







― 一夜 ―

もう一回双葉に言おう

双葉だけを愛してるって

「ただいまー」

「おかえり」

「一夜」

「双葉ちょっと俺の部屋来て」

「うん」


「何?」

「双葉こないだはゴメンな」

「…」

「好きって言ったのに。俺、美夏と

寝て、双葉を泣かしてしまった。

でも俺、美夏と別れたから。

今ならちゃんと

言えるよ

双葉愛してる

世界で一番愛してる。」

「一夜…」

双葉の綺麗なピンク色の頬は

涙で濡れている

愛おしい

俺たちはキスを何回もした