鍵を出して、家に入ろうとした時、背後から、いきなり声がした




『ここにも、主人は伺ったのかしら?』




えっ?



驚いて振り返ると、そこに…さっちゃんの奥さんがいた




『この前お会いした、城山直さんよね』




『……』




『お久しぶりです。いつも主人がお世話になっております』




そう言って深々と頭を下げた

前、会った時のように…


ただ、前と違うのは、手が小刻みに震えていたこと


そして、瞳が震えるくらい怖かった事…




『どうして、ここに…』




『会社でお見かけして、声をかけそびれて、ここまでついてきてしまったの』



ついてきてって、おかしいよね…

私、つけられてたの?

全然気がつかなかった




『お話出来る時間、とって頂けるかしら?』