『…もしもし』



『あたる…、やっと声が聞けた』


何で、そんな切なそうな声で、そんな事言うの…?



『あたる…会いたい、抱き締めたい』



だから、何でそんな事言うの?



『会えないでしょ。休みの日なんか…』




『会いに来た。だから、今から会える?』



何で、そんなことするの
何でそんなことするのよ


そんな事言われたら…私…




『…何処にいけばいい?』



あんなに、はるを裏切らないと決めたのに、私の決意はシャボン玉のようにはかないものなんだ




ねぇ、さっちゃん、あの時、私があなたに会いにいかなかったら、貴方は今もっと幸せだったかな



私が中途半端な女だったから、みんなから笑顔を奪うことになったのかな



会いたくて会いたくて、貴方に会ったら、貴方は凄く不安そうな顔で、痛いくらい抱き締めてくれた



貴方をみたら、ただ涙が出てきました


貴方も震えていて、メールも返ってこないし、嫌われたのかなと思ったら、段々メールも出来なくなって、もうずっと会えないと思ったよって、寂しそうに笑ったね



そして、私達は、ただお互いの存在を確かめるために、何度も何度も愛し合ったね



一度罪に溺れてしまったら、簡単には引き戻れないこと、ますます罪を重ねてしまうことを知りました


罪を犯しても、二人だったら、乗り越えられると思っていた私は、甘かったのかな