悪魔の誘い

休みにかかってくるはずのない人からの着信…


私の気持ちを試すような、神様のイタズラ

そんな、運命の挑戦に、この時の私が逆らえるわけもなく…


あれだけ心に誓っていたのに



電話を手にしたのは、はるや亘が側にいてくれないからだと、自分の弱さを人のせいにしながら、寂しくて退屈で不安な私は、携帯の通話ボタンを押してしまった



はるの優しさを心の奥底に葬り、また、はるを簡単に裏切った


一度裏切ると、簡単に罪を重ねるようになる

罪悪感は募っても、ブレーキは踏めない

それどころか、アクセル全開になっていく

ばれてない事が変な自信に繋がり、自分を正当化しながら、誤魔化しながら、踏み入れてはいけない世界にまた入っていくのだった



この時電話に出なければ、何かが変わっていたのかな


まだ私は、自分の未来を救えたのかな?
まだ、はるの笑顔を私のものにできてたのかな?

いや、自分の事しか考えてない私に、きっと幸せな未来は待ってなかっただろ…