『…嘘っ』


こんな偶然てあるのだろうか



『あたる…』


何で?
さっちゃんがここにいるの?


会議なんてなかったはず




『何で?』



そういいながらも、足はくるっと向きをかえて、その場を離れようとしていた



遠回りなんてするんじゃなかった
真っ直ぐ帰ればよかった




『待ってくれ。逃げないで』




逃げないでって言葉に反応してしまった


確かに今、逃げてるけど、人に逃げると言われるのは、凄く嫌だった



そうさせたのは、他でもない貴方なのに、その相手にいわれるなんて、なんか、また負けたみたいで嫌だと思った



『逃げてません。先に逃げたのはそっちです』




『逃げてないよ。でも、そう思われても仕方ないな。でも、逃げたくない。話がしたい』



振り返って強気に言ったら、悲しそうに言うさっちゃんがいた



その姿を見たら、足は動かなかった



『わかりました』



そういって、私の遠回りをして帰る間だけ、話をすることにした