君に、メリークリスマス







「何からお話したらいいでしょう。…とにかく、あなたと同じようなことを言う人が…いました。彼とは、僕と同じ大学のサークルで…知り合いました。生意気なヤツで、僕が3つ年上だっていうのに…全くの遠慮もない。まあ、でも筋が通ったヤツで、好きなものは好き、したいことは迷わずしてしまいような男で…。少しだけ…羨ましくもありました。」



「……………。」



「僕はここでずっとバイトをしていて。飲み会の帰りだったり、講義が終わった後に…彼はよく、ここに来ていました。定位置は、今つかささんが座っている…そちらです。普段そんなにしゃべる方でもないのに、ここに来た時は…また。別人みたいでした。前マスターは、話し上手の聞き上手な方だったので…彼もまた、油断していたのかもしれません。」



「私と同じですね。」


「……ええ。……似ています。僕もまた、彼の面影を…貴方に見ていました。」



「私…女ですよ?」



「そうですね。」




マスターは、カウンターを出て来て。


私の隣りの席の…椅子を引いた。




「……ここからは…、マスターとしてじゃなくて、彼の友人として…お話しさせてください。」






初めて…肩を並べた。



自分の左側が……じわりと熱くなった。