「………もしもし…。」
『おう、つかさー?元気か?』
それは。
君からの…突然の、電話。
思考回路はまだ眠ったままで…、
なんの違和感も抱かずに、会話を続けていた。
「……リョータ…?……だから、何でいつも深夜に……。」
『なにしてんのかなって思って。』
「寝てましたよ。」
『だよな。わりーな。』
「…………。あ。なんか…久しぶり?」
『今頃か、ボケー…。』
「…………。」
『なあ、』
「……。んー…?」
『大丈夫?かわったことない?』
「……。夜這いする人が…居なくなった。」
『そりゃあ、さみしかろーに。』
「ううん、全然。」
『そうかよ。……まあ…、帰れなかったし…陣中見舞い。』
「……うん、そっか。そっちは?今何してるの?」
『……サークル仲間と酒飲んで…、それから、一人で二次会。』
「一人で?さみしいじゃん。」
『……。寂しい。つかさ…、今から来る?』
言葉通りに…酔っているのか。
甘えた声を出す君に…
ぱちっと、目が覚めた。
すぐに、壁掛け時計に…目をやる。
時刻は…
11時を回っていて。
「……行ける訳…ないじゃん。」
一瞬でも揺らいだ自分に…驚いた。
「だって、私……彼氏ができたから。」
自分への…
戒めの為の言葉だった。
他の人に、一度でもこんな風に…揺らいだことはあったか?
会いに行こうだなんて、思ったことは…あったか?
だから、自分に言い聞かせる為に…
言ったはずだった。


