冬が過ぎて、 春の訪れと共に… 君は、私の隣りから……居なくなった。 雪解けしたベランダの隅に…… いつからそこにあったのか、 君が残した…メッセージボードを見つけた。 木で枠組みされた…手作りの、黒板。 チョークで書かれた文字は、 半分…消えかかっていたけれど…。 『Mary Christmas』 そう書いてあったのには…違いない。 クリスマスの夜に、こっちを見上げていた君の顔が…浮かんだ。 あれは…、会いに来たんじゃなくて。 気づいて…欲しかったんだろうか。