「二人って、やっぱ付き合ってんの?」
夏の終わり……。
君と自転車に2人乗りして帰った翌日。
朝一番…、
昇降口で出くわした、友人のミサに聞かれた。
嫌な……予感がした。
これまでも、君が幼馴染みだって知られると…
色んなことを言われて来たから。
「そー見える?」
答えたのは…いつの間にかそこにいた、君の方だった。
「見える。仲良すぎだもん。」
彼女がどんな答えを待っているのかは…知っていた。
「……だって、幼馴染みだし。」
これまで、何度も言ってきたお決まりの言葉。
「………だってサ。じゃあ、そーゆーことで。」
頭をポンっとひとつ叩かれて、
君は、先を…急ぐ。
『じゃあ』って…、なにさ…。
この時、そう答えたことを…少し後悔した。
君の前で、そんな宣言をしたのは……
初めてだったから。


