君に、メリークリスマス







マスターの手によって…



私の指から、指輪が……外される。









「……彼に…焼きもち妬かれそうですね。」



マスターは真っ赤な目をして……


視線を落とす。








「僕では役不足ですが…彼の代わりだと思って目を瞑って下さい。」



私はそっと……目を閉じる。










ひやり、と。右手の薬指に……



冷たさを…感じた。



まるでそれは……



君の手のようだ。








『本物…、欲しくない?』



うん……、欲しい。



『……ありがとう。』





君が…ふわりと笑った気がした。