久しぶりに来た空き教室。
恋華はカバンを抱えて、不安そうな目をして俺に紙を差し出した。
「朝、学校に来たら靴箱のロッカーに入ってて……。なんのことですかねぇ…?」
「これ……またあの女達かよ…」
紙切れには“週刊誌女”とか“男たらし”……
などなど、悪口がたっぷり。
俺の恋華になんてことすんだよ。
「でもな、恋華……。ごめん」
「へ?」
「週刊誌女ってのは、ほんとなんだわ……」
「伊月くん……?どういうこと?」
自分のことよりも俺のことを心配してるような目付き。
何もしらないんだ……。
「ハワイ旅行をパパラッチされて週刊誌に載った。そのせいで……こんなになってる」
「嘘!?……どうしよ……」
泣きそうな目で紙切れをくしゃっと握る恋華を抱きしめた。
俺にはカッコイイ言葉なんて、言えねぇけど守ってやることはできるから……。
「大丈夫。何があってもお前だけは守ってやる」
「心強いね……伊月くん。でも、無理するのは禁止です」
ふわっと笑った恋華のおでこにキスをする。
ごめんとありがとうの2つの意味を込めて。

