苦笑する大和くんは、落ち着いて話を進めた。
「親から、自分の力で勉強して卒業しろ!って唐突に言われてよ~…。そんで、困ってるわけ
」
「本題はここからで、うららちゃんと恋華にも協力してほしい」
「神城様のためならなんでもっ♪」
目を輝かせるうららちゃんの隣で、あたしも伊月くんの話に聞き入る。
「要は……俺らがバカ大和に勉強教えて卒業させようってこと」
「そんなことだったんだ……。伊月くん、それなら焦ることないんじゃ?」
「恋華、お前は大和のバカさ加減ナメてる……」
どうしちゃったのよ……。
いきなり真剣な顔して。
うららちゃんの表情までも険しくなってる。
「大和はかけ算すら、できないから焦ってんだよ。……大和、8×6は?」
「んーっとー……73?」
「納得したか?恋華」
「痛いほど納得しました」
この大和くんに勉強教えるって、失礼だけど至難の技じゃ……。
先が不安になって来ました!!