そんな時、慌ただしく走って教室に入って来た大和くん。
その後ろから伊月くんも。
「ちょっとー……そんな慌ててたら暑苦しいんだけど…」
「そんなことより!伊月には言ったけど一大事なんだって!」
青ざめた表情で呼吸を整える大和くん。
そして耳を疑うような一言。
「俺……今年が最後の高校生活にならないかもしれない」
え………どうゆうこと?
それって……もしかして…
「留年ってこと!?」
あたしよりも先にうららちゃんが叫ぶ。
そして静かに頷く大和くん。
みんなで卒業できないなんて……ヤダよ!!
「まず……どうして留年なの?」
「俺の親父さ……この学校の理事長じゃん?」
「えっ!?そうだったの?」
「恋華知らなかったっけ?」
うららちゃんと伊月くんは当たり前に平然とした表情。
あたしだけが知らなかったなんて……。
お父さんが学校の理事長って大和くんもすごすぎる!