あたしずっと決めてたの……。


「伊月くん……別れよ?」

「……俺はお前が何言っても別れねぇ…。別れたくない」

「あたしは別れたい…。もうちゃんと現実見よう?」


あたし達は一緒になっちゃダメな存在。


大きな会社の御曹司と一般庶民のあたしは、どうしたって釣り合わないもん。


「恋華……それ本気かよ」

「本気だよ。今までありがとうございました……」


一礼して小走りで空き教室を出る。


伊月くんの表情なんて見れないよ………。


あたしが一方的に別れたから……。



「お待たせー!うららちゃん!」

「……恋華……。ほんとに別れたの?」

「うん……まぁね…。それより、ケーキバイキング行こうよ♪」

「お、おっけー♪」


今の気持ちとは裏腹に精一杯の笑顔を作って空を見上げた。


切なくなるほど晴れてる青空。


1年半以上……一緒にいて楽しかったよ。


別れるなんて勿体ないくらいに。