悲しいけど気持ち……伝えなきゃ……。


そんなあたしを強く抱きしめて、優しい声で囁いた。


「どんなことがあっても……俺の心はお前だけ。俺はずっと好きだから…」


あたしを抱きしめる腕を解放すれば、小さな小箱を差し出される。


「……なに…これ?」

「誕生日じゃん?今日。だから…」


箱からするときっと指輪だ……。


泣きたくなるほど嬉しいよ。


でもね、あたしの気持ちも伝えなきゃ。


だから、この指輪は………



「これ……菫ちゃんにあげるべきです」

「なんで菫なんだよ…。俺は恋華のために選んだんだぜ?」


受け取れません。


もう苦しいのはヤダ。


お互いそろそろ現実を見て進まなきゃないのです……。