不思議に思う俺をよそに、ズカズカ玄関に行く翔大。
後ろを歩く俺に振り返って言った。
「俺、玄関から出迎えられるなんて初めてなんスよ!伊月さんの影響スかぁ?」
「知らん。俺も初めてだし」
……翔大と同じこと考えてたことにショックを受ける。
俺が玄関に入れば女達の甘ったるい声。
はぁ~……うるさい。
「W王子で登校よ~!!」
「「キャー!!」」
「今日もとってもカッコイイ!」
基本的に俺はシカトして歩くタイプ。
だけど翔大は女達の声にイチイチ答えてるから歩くの遅い。
名前を呼ばれれば振り向いて手を振り、プレゼントを渡されれば立ち止まってお礼を言う。
「お前はアイドルか」
「女の子の気持ちは大切にしないと!」
そんな俺らのやり取りを聞いてまた悲鳴。
……疲れた。

