秋だけど、少し肌寒い朝の校舎。
あたしは一人でトイレに行って、人気のない廊下をトボトボ歩く。
でも、あたしの目の前にいる人物……。
「恋華ちゃん。おーはーよっ♪」
「……トイレ戻ろう」
「避けないで!マジで!……痛っ…!」
あたしの背後で痛がる翔大くん。
多分、振り向いてほしくてわざとやってるんでしょ……。
無視して歩こうと思ったけど……
さすがに静かすぎる。
もしかしてほんとに、どこか痛いの!?
「……翔大くん?どうしたの?……どこか痛むの?」
「ごめん……。コンタクトずれたっぽい。……大丈夫!心配すんなっ…」
「え……でも…!」
右目を押さえてる姿を見てれば、いくら何でも心配します……。
「見てあげよっか?……ゴミ入ったりしてるかも…」
「マジ?助かる~……」
あたしは自分で罠にかかったみたい。

