冷静になればけっこうドキドキなことしてるし……。


空き教室と言えどいつ人が来るか分からない。


2年生になったばかりのあたし達だから、間違えて入って来る生徒がいるかも……


「ねぇ、伊月くん……。あたし椅子に座りたいなぁ~……なんて…」

「俺より椅子のがいいわけ?ふーん……チビのくせに言ってくれんじゃん」

「違います。伊月くんの方が断然いいです」

「それでよし♪」


2年生になっても俺様お坊っちゃま健在。


あたしの後頭部を押さえて、いきなり強引に噛み付くようなキス。


ほんとに気分屋さんです……。


「ヤベ……止まんないんだけど……どうする?」

「どうする?って……?」

「午後の授業サボってホテル行く?あ、俺んちでもいいや」

「行きません!」


罰が悪そうな顔をして今度は、ギュッと力強く抱きしめられた。


ほんのりと伊月くんの香水の香りが……。


より一層、あたしの鼓動を早くさせる。