「あ、あき、ら…」

「うん」

微笑む彼の顔に、胸が締めつけられた。

「明」

「うん」

「明」

「うん」

「…明……っ!」

「…うん」

訳が分からず溢れ出す涙。

抱きついた私の身体を、明は優しく抱きしめた。




抱きついた明の肩にうずめていた顔をふとあげると、大きな空が広がっていて。

もう、きっとどこでも息ができる。

そう思った。





「麗…」

ふと、私を呼んだ明。

そっと腕から力を抜いて、身体を離して彼の顔を真っ正面からとらえた。

「あ、きら…?」

「…ごめん、我慢できない」

「え…」

“なにが”

そう聞こうとしたのに、その言葉は喉まででかかって消えてしまった。

首に感じる彼の唇。

チュッと音をたてて吸いつかれ、身体がビクッと反応した。

熱は徐々に腕から手へと下がっていく。