あたしは怜央の腕をギュッと握りしめる。


なにかにすがっていないと、恐怖と不安で潰されてしまいそうだった。


「落着け芹香。ゲームはただのゲームだ。ココアが死んだのも、火事も関係ない」


「……怜央」


ニコッと微笑む怜央に、一瞬ホッとした自分がいる。


誰かに『ただの偶然だ』と、否定してもらいたかったのかもしれない。


「ココアの事は残念だったと思うけど、芹香のせいじゃない。そんなに怖いなら、ゲームなんてやめればいい」


「そうかな……」


「あぁ。気にするな」


怜央はそう言い、あたしの頭を軽くなでた。