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山路さんの死体の腹をハサミで裂き、胃袋からカギを取り出した俺はやっと帰路へとついていた。


自転車をひきながら、ゆっくりと遠ざかって行く山路家を思う。


何カ月も前からクローゼットに押し込められていた結登。


金に目がくらみ、苦手な機械を必死で勉強して史上最悪なゲームを作り上げた山路さん。


そして、そのゲームの被害にあった芹香……。


そのすべてがまるで夢のようで、あっという間に過ぎて行った。


朝起きて学校へ行くと、元気な芹香の笑顔が見れるんじゃないか。


そんな気さえしてくる。


でも……。