「芳香剤の匂い? あたしこの匂いとても好きなの」


そう言ってニコニコと微笑む山路さん。


「そう……ですか」


甘い匂いや、爽やかな匂いが入り混じり、微かな吐き気がこみあげてくる。


アルバムで住所を確認したらすぐにこの家を出よう。


そう思い、山路さんの後に続く。


2階の一番奥のドアの前で立ち止まり、「ここが結登の部屋よ」と、そのドアを開けてくれた。


「すみません。それじゃぁ失礼します」