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街が完全にオレンジ色に染まって来た頃、俺たちはやっと財布を探している老人を見つけることができた。


白髪の老人は財布を落としたことに気が付き、来た道を戻っていたらしい。


でも、ポストの横にある財布には気が付かず、そのまま通り過ぎてしまったのだそうだ。


山路さんが老人に財布を渡すと、すぐに携帯電話が震えた。


【ゲームクリア】


その文字を見て、俺たちはホッとして微笑み合ったのだった。