「芹香ちゃんは体を動かすゲームが特にお気に入りで、いつも試作品を楽しみにしているんだって、楽しそうに言ってた」


「それが、どうしてこんなゲームに?」


「それが、あたしもわからないところなのよ」


そう言い、山路さんは少し冷めてきたコーヒーを飲んだ。


「結登はこのゲームを作っているときもずっと楽しそうだった。


ゲームの最後には芹香ちゃんのCGが浮かび上がるように設定して驚かせるんだって、そう言ってたのに……」


「ゲームの最後に芹香のCG……?」


「そうよ。携帯ゲームでも画像が浮かび上がって見えるように、色々と苦戦していたわ。

でも結局、別途でCGを再生する機械を作ることにしたみたい」


「ちょ、ちょっと……待って下さい」