「芹香は鈍感な方だから、なかなか気が付かないかもしれません」


そう答えてから自分の言葉が現在進行形絵になっていることに気が付いて、軽く咳払いをした。


「それでね、結登は最初芹香ちゃんの好きそうなゲームを作りたいんだって、言っていたの」


「……そうですか……」


芹香は可愛い。


俺以外の男が芹香に気を寄せていたとしても不思議じゃなかった。


けれど、喜べるようなことでもなかった。


曖昧な返事をする俺を山路さんは気にせず、口を開いた。