「山路さん、なにしてるんですか?」


「なにって、迷子の子を見つけたわよ」


そう言って少女の手を握る。


迷子って……この子が?


俺は瞬きを繰り返す。


「お母さんとはぐれちゃって、1人で交番に行こうと思ってたの」


そう言って、少女は横断歩道の向こう際にある交番を指差した。


どうやら、迷子だということは本当みたいだ。


「この子が迷子だなんてよくわかりましたね」