翌日、俺は学校を休み芹香の入院していた病院を訪れることにした。


もちろん、あの【山路】という看護師に会うためだ。


少し汗ばんでくる陽気の中、俺は病院の広間を抜けようとしていた。


その時だった。


広間の隅に置かれている木製のベンチに白衣を着た女性が1人座っているのが見えた。


手には赤い携帯電話を持っている。


俺はその人に自然とひかれるように近づいて行った。


やっぱり。


それがお目当ての人物だとわかると、俺は歩調を緩めた。