芹香の写真を見て自分の彼女だと伝えると、男性職員はその写真を俺に譲ってくれた。


1枚しかない写真を大丈夫なのかと心配すると、『パソコンのデータとして残っているから気にするな』と、笑った。


俺は芹香とクラブメンバーの写真を手に、芹香の家に向かっていた。


葬儀は会館で行われていたため、今はひと気がない。


俺はスマホを取り出して時間を確認した。


葬儀から2時間ほど経過している。


もう火葬は終わり、芹香は骨になってしまっただろうか。


このまま帰っても何もてにつかないことは分かっていた。


なにかしていないと、落着かない。