芝生に血がこびりついているのだ。


俺はそこから目をそむけ、そして病室のどこかからかバイブ音が鳴っている事に気が付いた。


それは芹香の持っていた携帯電話の音によく似ている。


勝手に探しては失礼だろうか?


そんな事を思いながらも、俺は音がきこえてくるサイドテーブルに目をやった。


テーブルの上には真っ二つに折られた携帯電話。


それが、確かに震えていたのだ。