「ねぇ、お母さん。携帯電話が壊れたの」


「えぇ? そんなこと言っても新しいのは買わないわよ?」


「えぇ~、でも本当に壊れたんだよ?」


そう言って、真っ暗な画面になった携帯電話をお母さんへ見せる。


でも、お母さんは「ダメなものはダメ。しばらくは我慢しなさい」と言って、取り合ってはくれない。


「そんなぁ……」


せっかく新しい携帯電話になると思っていたのに……。


あたしはガックリと肩を落とし、ため息をついたのだった。