あたしは1人、暗い部屋の中で携帯電話を見つめていた。


ココア、和花、颯真お兄ちゃん。


それぞれの顔を順番に思い出して行く。


無残に死んでいった人たち。


そしてそのすべての現況は、この携帯電話にある。


あたしは携帯電話を握りしめる手にグッと力を込めた。


こんなことをしたら、あたしは死ぬかもしれない。


誰よりもひどい方法で、苦痛に顔をゆがめて絶命するかもしれない。


でも……。


あたしはそっと携帯電話を開き、両手で持った。