すると……。


ガードレールに結ばれたままのロープが目に入った。


しかし、ロープの先が見当たらない。


「え……?」


あたしは慌ててかけより、崖の下へ視線をなげた。


すると、そこには丁度他の乗客たちを同じようにして助けている颯真お兄ちゃんの姿があったのだ。


ロープの先は、颯真お兄ちゃんの腰にしっかりを結ばれている。


「颯真お兄ちゃん、何してるの!!?」


あたしは悲鳴に近い声をあげた。