「お父さん、大丈夫?」


窓から覗き込むとお父さんは「あぁ……大丈夫だ」と、自力で外へ出てきた。


颯真お兄ちゃんが投げてくれたロープを、あたしは自分の腰に巻いた。


お父さんの体重を颯真お兄ちゃん1人で引っ張り上げるのは大変だ。


あたしが先に道路へあがり、それから2人で引っ張り上げるのだ。


その考えは大成功で、数十分後には2人とも無事に車の中にいたのだった。