毛先だけ少しクセっ毛な怜央の髪が、あたしの前で揺れる。


「あ、わりぃ」


画面が半分以上隠れていたって、ゲームの音を聞けばなんとなく場面は理解できる。


「ま、もうあたしの勝ちだけどね?」


そう言って、あたしは必殺技を繰り出して、お相撲さんをノックアウトした。


「あぁぁ~、また、俺の負けかよ!!」


怜央はそう言い、コントローラーを投げ出してゴロンと横になった。


「あたしに勝とうだなんて、100年早いのよ」


「さすがゲーム好きな芹香だな。一体1日何時間遊んでるんだよ」


「2時間くらいしかしてないわよ?」