「午前中家の前にマスコミの人も来てたのよ。勇気のある芹香をぜひ取材したいって」


お母さんはそう言い嬉しそうに笑った。


火事の事で聞きたいことがあると言っていたのは、これのことだったんだ。


あのマスコミはあたしを捕まえに来たのではなかった。


それがわかると、安心すると同時に涙が込み上げてきた。


「なにやってんだろ、あたし……」


「……芹香?」


「あたし、英雄なんかじゃない! 勇気だってない!!」


ただ、怖いだけ。


ゲームを進め事だけで、必死なだけ。