あれが……!?


ドカドカと大股に走ってくる男。


あたしは3人を見る。


どうしよう、みんな足も鈍っているからあの男に追いつかれてしまう。


「お前ら3人は俺が金を出して買ったんだ! 俺のものだ!!」


女に粘着する男の顔は炎によって真っ赤に見えて、それはまるで赤鬼のようだった。


あたしは壁に沿って置かれていた1つの大きな棚に目をやった。


考えている暇はない。