過呼吸になりそうな状態の中、あたしは強く目を閉じた。


これは幻覚だ。


本物じゃない。


【悪魔】はいない。


ゲームはクリアした!!!


強く心の中でそう念じ、そっと目を開ける。


するとそこには普通の階段が存在しているだけで、【悪魔】も、【悪魔】の血で濡れた痕跡も見当たらなかった。


大丈夫……。


あたしは軽く息を吐き出し、走るように階段を駆け上がったのだった。