事情を説明してくれた警官にそう言ったけれど、その警官は「こればっかりはどうしようもない」と、首を横に振るだけだった。


両親の迎えが来て警察署からかえるまでの間、あたしは涙が止まらなかった。


傷害罪……。


あたしのせいで、怜央が犯罪者になってしまうかもしれない。


悔しくて、涙は次から次へとあふれ出した。


それは終わりを知らない湧水のように、あたしの意思に関係なく流れ続けた。


「芹香、付いたわよ」


そう言うお母さんに支えられながら、なんとか車から出る。