怜央に手をひかれ、あたしは外へ出た。


2人で傘をさして歩いていると、まるで全部が夢だったんじゃないかと思えてくる。


ココアの事も、和花の事も。


ほんのひと時、心が解放される時間だった。


最近あまり話ができていなかったから、その溝を埋めるように会話は弾んだ。


あたしの家までの道のりはあっという間だった。


家の前まできて立ち止まり、怜央を見る。


「ありがとう、怜央」


「あぁ。雨、降らなかったな」