「今日は怜央におはようメールができないんだった」


そう呟き、のそのそと起き上がってあくびをかみ殺しながらカバンを開ける。


中をのぞくと、無造作に投げ込まれた携帯電話が背中を向けている。


「携帯使えないとか不便すぎぃ」


学校に行けばみんなと会えるのだけれど、普段から携帯電話を肌身離さない生活をしているあたしにとっては、お箸一本でご飯を食べる状態と似たようなものだった。


ため息をつきながら、ただの箱と化した携帯電話を手に取る。


そして画面を見てみると……。


「あれ? 動いてる……?」