みんな、医学が進歩すれば今回のウイルスを特定することができると思っているようだったけれど、このウイルスは二度と現れることはないと、あたしだけは知っていた。


そして、その事件から数日後。


和花の葬儀がいとなわれていた。


同じ制服を着たクラスメイトたちがすすり泣きの声を上げながら列を作っている。


その先に、和花の両親の姿が見えた。


最近はあまり合っていなかったけれど、和花の家に遊びに行った時は必ずお菓子やジュースを用意してくれていた。