「ゲーム自体は、結構簡単なんだよね。ゲームをしないあたしでもできそう」


「うん。できると思う。でも、問題は……」


『問題はそこじゃなくて、現実でも起こるところなんだよ』


そう続けようとしたけれど、すぐ近くで女の人の甲高い悲鳴が聞こえてきて、あたしは口を閉じた。


「なに?」


「わかんない……」


あたしと和花は悲鳴をあげた女性の方を見る。


待合室でお会計の順番を待っていたらしいけれど、女性の隣で座っていた男性がうずくまっているのが見える。