出血量は大したことではないようだけれど、相次ぐ恐怖にストレスを感じているのは確かだった。


「すぐに診察してもらえるか、聞いてみようか」


沢山の患者さんを見回して、和花が言う。


「ううん、大丈夫。血はもう出てないし、傷もそんなに深くないと思うから」


「本当に大丈夫? 顔色悪いよ?」


「うん。ちょっと、疲れちゃったみたい」


そう答え、あたしは軽く笑って見せた。


でもその笑顔も弱弱しかったのだろう、和花は余計に不安そうな表情を浮かべた。