「なに……これ」


かすかに声が震える。


さっきまで殺人犯に追われていた恐怖とは、また違う恐怖が体を駆け巡る。


あたしは何度も何度も【死んでいただきます】という文字を繰り返し読んだ。


間違いじゃないだろうか?


こんなこと、普通のゲームではありえない。


プレイヤーが死ななきゃいけないゲーなんて……。


手にじっとりと汗をかいた時、「芹香、病院に付いたよ」と、和花に声をかけられあたしはようやく、携帯画面にもうなにも表示されていないことに気がついたのだった。