「離して!!!」


左腕に焼けるような痛みを感じた瞬間、たしはほぼ無意識のうちに右手で砂場の砂をつかみ、男めがけて投げつけていた。


砂は男の目に入り、「うっ」と、低いうめき声をあげた。


あたしは右手で力いっぱい男を突き飛ばし、足を絡ませながらもなんとか大通りまで出てきた。


人通りが多く、その中に走ってくる和花を見つける。


「芹香!!」


和花の声を聞いた時、今までの緊張が解け安心したあたしはそのまま意識を失ったのだった。