相手がどんな人であれ、ゲームは続けなきゃいけない。


画面上にはナイフを持った黒い服の男が現れ、あたしを追いかけてくる。


あたしはボタンを器用に操作し、待ちの中その男から逃げていく。


「ねぇ芹香……」


「なに?」


「この街って、どこかで見たことない?」


「え?」


ゲームはあっという間にクリアし、画面は真っ暗になった。


あたしは画面から顔をあげて、和花を見た。